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株式会社の設立手続き、経営相談

定款の認証を受ける

 株式会社の設立時に作成した原始定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じないものとされています。つまり、定款を印刷して発起人が押印するだけでなく、公証人によって、会社法に基づく絶対的記載事項が記載されていることや、発起人全員による定款作成の事実とその内容や形式が法令上の要件を満たしているかどうかを確認し、定款として有効であることを公的に証明することにより、定款が法的な効力をもつものとして認められることになるのです。

 公証人がいったん認証をした定款については、その内容を変更するだけでなく、誤字や脱字を修正することも原則としてできません。したがって、公証人もこれらについてチェックをしますが、まずは定款を作成する発起人において十分に見直しをして申請すべきでしょう。特にパソコンのワープロソフトで定款を作成する場合には、漢字の誤変換に注意すべきです。

 誤字や脱字とはいえないことですが、「おこなう」という言葉の送り仮名は「行う」「行なう」のどちらかに統一したほうがよいでしょうし、「または」「又は」や、「および」「及び」、「ならびに」「並びに」も混在させないほうが見栄えとしては良いでしょう。

公証人・公証役場とは

 公証人とは、会社の定款に対して認証をしたり、公正証書を作成したりする職務を行う公務員のことをいい、法務大臣が、原則として30年以上の実務経験を有する裁判官、検察官、弁護士等から任命します。公務員とはいっても独立採算制の公証役場と呼ばれるところで執務をしています。

 公証人へ支払うべき手数料の額は全国どこでも同じであり、会社設立の際の定款認証手数料は5万円です。ただし、印紙税法により別途4万円の印紙を貼付しなければなりませんし、定款の謄本の交付手数料として1枚250円が定款のページ数ほどかかります(表紙や裏表紙には手数料がかかりません)。

公証役場へ行く

 定款を認証してもらう前に、公証人と事前に打ち合わせをして認証の日時などを協議します。日時が決まったらその日までに定款を印刷して押印しておき、公証役場へ持参します。

 定款の認証の際に持参すべきものは、発起人が個人である場合には、定款3部、印鑑登録証明書その他の本人確認書類、4万円の収入印紙、認証手数料として現金5万円、謄本交付手数料として数千円、代理人に認証させる場合には委任状です。発起人が法人である場合には、定款3部、印鑑証明書その他本人確認書類、会社の登記事項証明書、4万円の収入印紙、認証手数料として現金5万円、謄本交付手数料として数千円、代理人に認証させる場合には委任状です。

 公証人が署名押印によって認証を与えたときは、その1通を原本として公証役場で20年間保存し、他の1通が正本として還付されます。また、認証を受けた定款は、後日、市町村役場や都道府県、税務署に提出しなければなりませんので、最低でも1通は謄本を取得しておく必要があります。