北海道中小企業みらい研究所
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定款の作成は、会社を設立する際の最も重要な事項です。
定款の書式は、書店に会社設立に関する様々な本が売っていますし、インターネットでも見本を掲載しているサイトもあります。また、ホームページ上で定款を公開している会社もあります。
しかしながら、会社は唯一無二のものであり、それぞれの会社によって設立時の環境は大きく異なります。定款は会社のなかで最も重要な文書であるほか、定款を変更して登記をするには別途登記申請料として数万円がかかりますので、会社設立時から間違いのない、かつ、余裕のある定款を作成するには専門家への相談が不可欠です。実際に、公開されている定款の書式をそのまま転用して設立しても、その直後に自社に見合った規定に変更しなければならない事例が多く見受けられます。
絶対的記載事項とは、定款に必ず記載しておかなければならない事項のことをいい、この絶対的記載事項が記載されていないものは定款として効力がありませんので、公証役場で認証を受けることもできません。また、会社の設立後に定款を変更して絶対的記載事項を削除することも認められません。必要的記載事項ともいいます。
相対的記載事項とは、必ずしも記載しなければならないものではありませんが、定款に記載しないとその効力が生じない事項のことをいいます。つまり、記載しても記載しなくてもどちらでもよいのではなく、定めたのであれば記載しなければならない事項をいいます。たとえば、前述の株式の譲渡制限の事項はこの相対的記載事項に記載しなければ、株式譲渡制限会社とはみなされません。また、定款への記載が必要とされ、原則として裁判所の選任する検査役の調査を受けるべき事項を、変態設立事項といいます。変態設立事項のなかの現物出資とは、金銭以外の財産を出資する場合のことをいいます。また、財産引受けとは、株式会社の成立を条件として、発起人が当該株式会社のために第三者から財産の譲渡を受ける契約のことをいいます。これらの事項は、会社設立の際に発起人の乱用を防ぐ趣旨であり、これらの規定を定めた場合には必ず記載しなければなりません。
任意的記載事項とは、定款に記載しても記載しなくてもどちらでもよい事項のことをいいます。ただし、事業年度に関する規定や、公告の方法、役員の人数、定時株主総会の開催の時期などは、任意的記載事項ではあるものの、ほとんどの会社が定款に記載しています。ただし、任意的記載事項とはいえ、その内容に変更が生じた場合には定款を変更し、登記をしなければなりませんので、十分に考慮しなければなりません。
絶対的記載事項 | 目的、商号、本店の所在地、設立時に出資される財産の価額またはその最低額、発行可能株式総数、発起人の氏名または名称及び住所など |
相対的記載事項 | 現物出資に関する事項、財産引受けに関する事項、発起人が受ける報酬その他の特別の利益、株式会社が負担すべき設立費用など |
任意的記載事項 | 発起人全員の同意によって定めるべき事項、設立時取締役・設立時会計参与・設立時監査役または設立時会計監査人の定め、株主総会の開催の場所、事業年度及び定時株主総会の開催時期、書面または電磁的方法による議決権の行使を認める場合における、当該議決権の行使の期限、代理権を証明する方法・代理人の数その他代理人による議決権の行使に関する事項、株主総会の議長またはその選任の方法その他の株主総会の議事に関する事項、取締役・代表取締役・会計参与・監査役・会計監査人の員数の上限についての定めなど |
定款はA4サイズの用紙に印刷し、1部を会社で保存する原本として、1部は公証役場で申請するものとして、もう1部は法務局へ申請するものとして、合計で同じものを3部作成します。
定款を印刷したら、それぞれ製本し、実印で押印、訂正印を押してできあがりです。