北海道中小企業みらい研究所
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資本金は、その会社の財産としてどれくらい確保されているかを示すものです。株式会社においては株主は株式として引き受けた価額を限度して責任を負うものとされていますから、資本金及び資本準備金の額がその会社の財産の信用を表す指標として大きな役割を持つものとなります。資本金は登記され公開されるため、融資を受けたり取引したりする際の判断基準となります。それゆえ、大企業は資本金が多いため、会社債権者からも信用を得やすいのです。
しかしながら、資本金の額によっては中小企業者向けの優遇施策を利用できなくなることもありますので、むやみに多額の資金を資本金として投入する必要はありません。もっとも、中小企業基本法では中小企業の定義を、サービス業の場合は資本金5千万円以下並びに従業員100人以下、製造業その他でも資本金3億円以下、従業員300人以下と定義していますので、北海道の場合ほとんどの企業が中小企業に該当します。
よって、資本金は多いほうが会社の対外的な信用力を得られやすいですが、資本金が過大だと中小企業施策が利用できなくなったり、税法上不利になることもありますので、会社の規模に見合った適正な水準であるべきです。
では、実際の資本金はいくらにすればよいかという点ですが、会社法が改正される前までは株式会社は1千万円以上の資本金を用意する必要がありました。しかし、現在ではこの最低資本制度は撤廃され、1円からでも会社を設立することができるようになりました。
もっとも、前述のように資本金は会社の「体力」を示す重要な判断基準であることから、資本金1円という会社は大企業と取引したり、銀行から融資を受けることは困難になることが予想されます。
旭川地方法務局管内で設立登記された会社を掲載している雑誌がありますが、比較的多いのは100万円という会社です。ただし、数十万円、数百万円という会社も多く、旧有限会社の最低資本金の基準を参考にした300円という会社もよく見かけます。
いずれにしても、増資をしたり減資をしたりするには、株主総会を開催したり、登記を変更したりしなければならず、費用もかかることから十分に検討なさることをお勧めします。