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NPO法人設立手続き、運営相談

認定NPO法人とは

 認定NPO法人制度は、NPO法人への寄附を促し、NPO法人の活動を市民や企業が支援しやすくすることに目的があります。

 認定NPO法人とは、都道府県または内閣総理大臣から認証を受けて設立されたNPO法人のうち、認定NPO法人の要件を満たすものとしてさらに国税庁長官の認定を受けている法人をいいます。

 NPO法人の規模の大小にかかわらず認定を受けることができますが、認定の有効期間は5年間であり、更新する制度がないため認定の効力を維持するためには、有効期間が終了する前に再度認定を申請し直さなければなりません。

認定NPO法人になるメリット

 認定NPO法人は、当該法人への寄附を促進させるための制度ですから、認定NPO法人に対して寄附をした場合には、税制面での優遇措置が設けられています。

 まず、個人が認定NPO法人に対して寄附をした場合、寄附した個人の所得税の計算において、寄附金の額から5,000円を差し引いた額が寄附金控除の対象になります。寄附金には、認定NPO法人に対し、認定の有効期間内に支出する寄附金のほか、国・地方公共団体、特定公益増進法人等に対する寄附金を含まれますが、寄附をした人の所得金額の40%が上限です。具体的には、寄附者の住所地の都道府県の条例により指定されている認定NPO法人に寄附をした場合には、寄附金額から5千円を控除した金額に4%を乗じた金額が都道府県民税から税額控除を受けることができます。また、寄附者の住所地の市町村の条例により指定されている認定NPO法人に寄附をした場合には、寄附金額から5千円を控除した金額に6%を乗じた金額が市区町村民税から税額控除を受けることができます。いずれも、確定申告書の提出時に、寄附先の認定NPO法人が発行する「寄附金受領証明書」を添付し税務署に添付または提示する必要があります。

 また、法人が認定NPO法人に対して寄附をした場合、寄附した法人の法人税の計算において、一般寄付金の損金算入限度額に加え、別枠の損金算入限度額が設けられています。具体的には、一般の寄附金にかかる損金算入限度額である (資本金等の額×0.25%+所得の金額×2.5%)×1/2 のほかに、認定NPO法人等に対する寄付金にかかる損金算入限度額である (資本金等の額×0.25%+所得の金額×5.0%)×1/2 が損金算入できることとなり、この分には法人税が課税されません。この優遇措置を受けるためには、確定申告書に所要事項を記載の上、1事業年度に支出した寄附金のリストと寄附先の認定NPO法人が発行する所要事項の記載された受領書を税務署に提出する必要があります。

 さらに、相続または遺贈により財産を取得した者が相続財産を認定NPO法人に寄付をした場合、寄附した人の相続税の計算において、その寄附した財産の価額は、相続税の課税対象から控除されます。したがって、相続税の申告期限までにその寄附をした財産には相続税がかからないことになり、相続税対策に効果があります。なお、認定NPO法人でないNPO法人に対して寄附をした相続財産は相続税の課税対象に含まれます。

 一方、認定NPO法人にとっては、収益事業に属する資産のうちからその収益事業以外の事業のために支出した場合に、この支出を寄付金とみなすことができます。具体的には、寄附金のうち収益事業の所得金額の20%までを損金として計上できるので、この分、課税所得を減らすことができます。

 そのほか、認定NPO法人に対する調査では、「社会的信用度が高まった」と回答する法人が88.0%、「寄附金を受ける際説明しやすくなった」が70.0%、「寄附金額が増加した」が42.0%となっており、対外的な信用により収入が増えたとの回答をする法人が目立っています。