北海道中小企業みらい研究所
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NPO法人は、福祉、教育・文化、まちづくり、子育て、環境、国際協力など様々な分野で、多様化する社会のニーズや課題にきめ細かく機動的に対応するものとして、現在も今後も大きな役割を果たすものとなっています。特に、国や地方自治体の財政状況が厳しいなかで、市民や民間企業がボランティアとしてこれらの分野をサポートしていくことにより、これまで行政では提供できなかったサービスの実現がNPO法人により可能となっています。
NPO法人の活動分野として区分されている17種類のうち、「保健、医療または福祉の増進を図る活動」を実施している法人が52%である、最も多くなっています。近年では高齢者や障害者の介護やまちづくり事業を行っているNPO法人が増えています。
NPO法人の1法人あたりの社員数は10~19人が42.2%と最も多く、社員以外の会員については0人が25.1%となっており、ほとんどが社員から構成されているといえます。一方、認定NPO法人では1法人あたりの社員数は100人以上が32.0%と最も多く、社員以外の会員についても、100人以上が38%となっており、比較的大きな規模の法人が多いといえます。
NPO法人の定款上の特定非営利活動事業における1法人あたりの収入金額は平均値が1,765万円、中央値が542万円となっています。また、収入金額の内訳としては、特定非営利活動事業による収入が69.9%と大半を占めています。一方、認定NPO法人では収入金額は平均値が1億8,977万円、中央値が2,189万円となっており、収入金額の内訳は、寄附金が53.0%、補助金・助成金が27.1%となっており、これら2つで全体の8割を占めています。
会費の収入は、NPO法人が1円~50万円未満がほとんどですが、認定NPO法人の収入は数百万円から1千万円以上の収入を得ている法人が多い結果となっています。
寄附金の受入れは、NPO法人は0円が47.4%、1円~50万円未満が35.5%となっており、これら2つの区分で82.9%であり、通常のNPO法人では寄附金による収入はほとんどないといってよいでしょう。一方、認定NPO法人では、1,000万円以上が44.0%を占めており寄付金収入が安定した収入源となっています。このようにNPO法人と認定NPO法人とでは、寄附金の受入金額の差が大きくなっています。
NPO法人の監査方法は、監事による内部監査が87.0%を占めていおり、公認会計士や監査法人による外部監査を実施している法人は13.2%にとどまります。また、認定NPO法人において、日常の経理で決まった担当者がいるかどうかについては、61.7%の法人が他の仕事も兼務する経理担当者がいると回答し、経理専門の担当者がいると回答した法人の割合15.9%と外部に依頼していると回答した法人の割合5.2%と比較すると、ほとんどの法人が当該法人の職員で監査や経理をこなしているといえます。